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カリスマ心臓外科医が明かす驚愕の真実(2)

カリスマ心臓外科医が明かす驚愕の真実(2)


『異端のメス 心臓外科医が教える
病院のウソを見抜く方法!』

南淵明宏 講談社文庫 2011年9月15日
第1刷発行


著者の南淵(なぶち)さんは医療番組によく出演する
心臓外科医です。


あなたも一度はテレビで観たことがあるかも
しれません。



この本の内容は、これ以上目を開けられないほどの
驚きの連続でした。



ここまで書いて大丈夫なのか、と心配になりました。
ですが、すぐに考え直しました。



事実を白日のもとに晒すことができるのは、
南淵さんは長年にわたって2000件以上の
手術に携わってきた経験と実績があるからです。



急性大動脈解離と気管内挿管

さて、今回は2つの医学用語のご紹介から始めます。
その2つとは「急性大動脈解離」と「気管内挿管」です。


この2つの医学用語は、この本で初めて知りました。
あなたはご存知でしたか?


医療に携わっている方や、医療問題に関心のある方に
とっては基礎用語かもしれません。


南淵さんの解説を見てみましょう。
まず、急性大動脈解離から。


 急性大動脈解離という病気も突然に起こる

 実に理不尽な病気だ。とにかく大動脈が

 何の前触れもなく、一瞬のうちに縦に

 50センチ程度も裂けてしまう病気だ。

 ストレスや高血圧が原因といわれて

 いるが、本当のところはわからない。

 (上掲書、以下同様  P.131)


恐ろしい病気ですね! 突然起こるので、対処のしようが
ありません。


次に、気管内挿管


 急に呼吸が止まった人はすぐに呼吸を

 回復させなければ死んでしまう。

 それゆえ、喉(のど)にチューブを

 挿入する。「気管内挿管」という

 装置がある。医療行為の基本中の

 基本だ。死に瀕した患者に生気を

 送り込む、文字どおり起死回生、

 救命処置の伝家の宝刀である。

 しかしながら当然、気管内挿管には

 技術が必要だ。


 ところが、そんな気管内挿管すら

 できないで偉そうにしている医師は

 たくさんいる。

 (PP.30-31)


驚きましたね! 「医療行為の基本中の基本」である、
気管内挿管ができない医師がたくさんいるとは。


南淵さんはそうした医師に手厳しい。 


 私に言わせれば、そんな医師は医師ではない。

 外見だけで医師に見える。「医者もどき」

 である。彼らがやっかいなのは、外見上

 普通の医師と区別がつかないことだ。

 しかも、全国の病院にたくさんいる。

 (P.31)


南淵さんが指摘しているこれだけのことでも、開いた口が塞がらない
事実です。助かる命も助からない、ということは十分にあることに
なります。診察した医師が「医者もどき」だったら運が悪かった、
ということで諦めるしかなさそうです。


まだまだ、驚くことは出てきます。
次の事実も初めて知ったことですが、外科医と内科医との
関係です。


次の文章をよくご覧ください。


 外科医は内科医の診断の結果、「手術が必要」

 とされた患者にだけ手術を行う。
 
 (P.73)


 「手術を受けなさい」、と患者に印籠を渡すのは、

 内科医の役目である。外科医は内科医の

 御沙汰にかしずく地位にある。
 
 (P.74)

内科医のほうが外科医より上位にいる、という事実についても、
想定外でした。別の科ですから、この病気であれば内科で、
あの病気であれば外科に分けられるものと思っていました。



新薬とは・・・?

普通に考えれば、従来品よりも大幅に改善された薬ですね。
ところが、南淵さんの説明を読むと、まったく違うことがわかります。


どう違うのか見てみましょう。驚きの連続で、患者だけでなく、
被保険者はこの現実を知って、ショックを受けて新薬を拒否するか、
諦めて現状を受け入れるしかなさそうです。


 医療の分野では余計な機能だけが増えて、

 値段がバカ高くなった新製品が目立つ。

 特に新薬だ。医薬品や医療機器の新製品

 とは、「新しく儲かる仕組み」という意味だと

 思う。値段が上がっても料金を払うのは患者

 であり、仕入れの値引率は一定(通常15パー

 セント程度 注:藤巻隆 P.42から)だから

 高いクスリを売ったほうが病院も儲かるからだ。

 「新しいクスリでどんどん儲けておくんなはれ」

 という甘言で医者に売ろうとするのだから仕方

 がない。
 
 (P.74)

ここまでくると、驚くというよりも溜息が出てきます。
厚生労働省、病院や医師、そして製薬会社という
鋼鉄のトライアングルが出来上がっているのです。
そう簡単に、このトライアングルが壊れることはありません。



データの捏造疑惑

理化学研究所の小保方晴子さんの「STAP細胞」騒動
は沈静化しましたが、類似した「出来事」は過去にも
ありました。


 2005年9月、東大で研究データを捏造した

 疑惑が発覚した。DNAに関する研究データ

 を捏造した疑いが強く、その架空データを

 もとに世界的科学雑誌で論文を発表した

 とされ、事実であれば許し難い行為だ。

 「事件結果には自信があるが、それを

 裏付ける物的証拠を提出できず、深く

 反省している」と担当教授は弁解していた。

 (PP.90-91)


ここで取り上げられている世界的科学雑誌とは、

「世界で最も権威ある雑誌『ネイチャー』」(PP.91-92)

です。


さらに、こんな事件も起きました。


 2005年には、慶応大学の教授が約4200万円

 の研究費を別の目的で使った事実も発覚した。

 流用した教授本人によれば、けっして私用では

 使っていないということだ。では、私用でなけれ

 ば何に使ってもいいのか。お小遣いを無駄に

 使った子どもが「あくまでお勉強のために使った

 のだから」と言い訳しているように聞こえる。

 そんな理屈はどこの世界でも通用しない。
 
 (P.93)



第2回はここまでにします。


初回に掲載した次の文章を再掲します。
本質的なことを述べた言葉だからです。


 「医学とは予測する芸術である

 (Medicine is the art of guessing)」

 という、有名な格言がある。

 現実にはこの「予測」がきわめて

 難しいから、こういう言葉ができた

 に違いない。

 (P.36)


次回は、他の医師や病院についてではなく、南淵さんの
驚くべき事実と考え方をご紹介していきます。
ご期待下さい!



★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

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カリスマ心臓外科医が明かす驚愕の真実(1)

カリスマ心臓外科医が明かす驚愕の真実(1)


『異端のメス 心臓外科医が教える
病院のウソを見抜く方法!』

南淵明宏 講談社文庫 2011年9月15日
第1刷発行


著者の南淵(なぶち)さんは医療番組によく出演する
心臓外科医です。


あなたも一度はテレビで観たことがあるかも
しれません


この本の内容は、これ以上目を開けられないほどの
驚きの連続でした。



ここまで書いて大丈夫なのか、と心配になりました。
ですが、すぐに考え直しました。


事実を白日のもとに晒すことができるのは、
南淵さんは長年にわたって2000件以上の
手術に携わってきた経験と実績があるからです。




病院内で行われていることは、患者側の
関係者にはなかなか分からないことです。


特に、手術室は密室状態ですから、どのような
処置が行われているかは外部からは分かりません。


本来、手術中の処置の経過を、執刀医、手術を
サポートする医師や看護師がノートに記録して
おかなくてはならないことになっているそうです。


ところが、現実には、記録をとっていないケースが
非常に多いという事実を、この本を読んで知りました。


南淵さんは手術中の状況をビデオに撮り、手術終了後、
患者にビデオを渡しているそうです。



万が一、訴訟になった場合、そのビデオが証拠物件と
なり不利益を被るおそれがあるので、よほど自信が
なければ、このようなことはできません。


そんな外科医はほとんどいないのではないでしょうか?
プロの外科医なら当然ということになるのでしょうが。


医療ドラマで、手術室の上方から、白衣を着た人物が、
手術の一部始終を見ているワンシーンが出てきますね。


たいがい、大学病院内でのシーンで、大学病院関係者
(主に大学教授)だけが見ることができ、患者関係者が
その場に居合わせることはありません。


実際、患者関係者が手術中に手術室に入ることは、
一部の例外(執刀医等の責任者が認めた場合)を除いて、
認められていません。


現在、南淵さんは年間200件以上の心臓バイパス手術
を行っています。1週間に4回のペースで執刀していること
になります



これは驚異的なことで、年間20件程度の外科医は
ざらにいるそうです。10分の1です。


手術件数が多いということは、信頼されている証です。


厚生労働省が定めた「施設基準」という制度がかつて
あったそうです。

 
 この制度は2003年から2年間施行され、

 消滅した。これは手術件数の多い少ない

 をもって医療費の「値段」に差をつける

 制度だ。心臓手術であれば病院全体で

 年間100件以下の病院は同じ手術を

 やっても安い手術料しか請求できない

 という制度だった。

 (P.52)

そして、驚くべきことは「この100件の『大甘ハードル』

を越えられない病院は全国で60パーセントにのぼった」

(P.52)という事実です。


南淵さんはこう書いています。


 病院の基準をどうするかという話よりも、

 私は外科医個人に厳しい基準を設ける

 べきだと思っている。心臓外科医で

 あれば、プロの条件の最低ラインは

 年間手術数100件以上だろう。

 それでも週に2件のペースにすぎない。

 「あんたの技術はすばらしい」と認め

 られるためには、年間200件の手術

 は行うべきだ。これには日本中の心臓

 外科医が誰でも異論を挟めないはずだ。

 (P.56)

ここで、「プロ」が出てきましたので、南淵さんが
考える「プロとは何か?」について見てみましょう。


南淵さんの定義は次のとおりです。
医師に限定しているわけではありません。


 プロとはなんだろう?

 これまで人前で話す機会を与えられたとき、

 次のようにプロを定義している。

 1.いつも怖がっている人。

 2.いつも悩んでいる人。

 3.昔の失敗をいつも後悔している人。

 4.自分のやっていることは「当たり前」

  だと思っている人。

 5.自分でリスクをしっかり取る人。

 などなど論(あげつら)う。

 たしかにそういう点はプロであることの

 「属性」としては当を得ているだろう。

 だがそもそもの本質とは何だろう。

 つまりプロであることの本質とは何である

 のか、問うならば、それは自らの自由な

 意志で行動する自由人であること、だと思う。

 (PP.4-5)

私が想像していたこととはかなり違っていました。
もしかしたら、あなたの想像とも違っていたかも
しれませんね。


最後に書かれた文章は哲学的ですね。


事実、この文の後で、こう続けています。


 カントによれば、真に自由なる意志は、

 魂の行き先を自分でしっかりと見据えて

 それに邁進させるものである。自分自身を

 律する原動力でもある。他人に影響されず、

 感情に歪まない、内なる普遍的な行動原理

 を堅持し、生き抜くこと。これが自由である。

 (P.5)


南淵さんは映画が好きだということで、映画から
学んだことがよく出てきます。哲学的な表現も
しばしば出てきます。


こうした点からも、この本は、タイトルから感じる
低次元の暴露モノではないことが分かります。
さらに、医学や医療に関する本質的な問題を
取り上げていることも分かってきます。


最後に、次の一文をお届けします。


 「医学とは予測する芸術である

 (Medicine is the art of guessing)」

 という、有名な格言がある。

 現実にはこの「予測」がきわめて

 難しいから、こういう言葉ができた

 に違いない。

 (P.36)


いかがでしたか? 
驚くべき事実は、まだほんの序の口です。

初回はここまでにします。

次回からさらに驚愕的な事実をご紹介していきます。



★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

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Author:医師看護師薬剤師の味方
藤巻 隆(ふじまき・たかし)と申します。

私のメインサイト 本当に役に立つビジネス書 をご覧になったことがあるかもしれません。

今年2013年4月16日で、立ち上げてから12年目を迎えます。

今度は、医師、看護師、薬剤師の方の転職を支援するためにブログを立ち上げました。

より条件の良い職場に移りたいとお考えの方は、一般企業に務められている方も、医師、看護師、薬剤師の方も同じです。

さらに、医学に関するいろいろな情報を掲載し、ブログ閲覧者に資することを目指します。

建設的なコメントを希望していますが、有益なコメントであれば、厳しいご意見もお受けします。

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